第4回ワークショップ「発行コインのオークション ――国債オークションを参考に」

オークションラボでは、ビジネスパーソン向けに定例ワークショップを開催しています。これまで3回開催して、盛況が続いております。第4回目を3月6日(木)の19時から開催します。スピーカーは坂井豊貴・慶大教授です。会場は、有楽町・日比谷駅からすぐの「Place 171」。(株)Dolphins と(株)デューデリ&ディールのサロンスペースです。


近年、オークションまわりの研究と、実務のコラボレーションは、世界的に盛んになってきています。しかし日本でその動きはほとんどありません。初めての方、前提知識がない方も大歓迎です。どうそ気軽にお越しください。今回は暗号通貨やトークンを発行するときに、どの販売方式なら高くなりやすいのか、「国債オークション」を参考に考えてみたいと思っています。Cryptoeconomicsな話です。


なお本ワークショップは純粋に交流を目的としており、何かの販売(やそれに類すること)は行われません。平和なところです。


Auction Lab第4回ワークショップ ご案内

「発行コインのオークション ――国債オークションを参考に」 坂井豊貴

かりに自分が暗号通貨やトークンを発行するとして、どのオークション方式で売れば最も高く売れるか? この問いを考えるうえで、私は「国債オークション」が最も参考になると考えています。どうして発行する予定もないのに私はそんなことを考えるのか。それはたんに面白そうだからです。


日本は赤字財政で、歳出の不足を国債の発行で賄っている、というのはよく知られています。しかし国債が、誰にどうやって売られているかは、金融関係者以外にはあまり知られていません。結論からいうと、大手金融機関向けに、(主に)財務省理財局によるオークションで売られています。


1兆円ぶんの国債を「1億円単位」で売ると、1万個の同じモノを売ることになります(1兆=1億×1万)。これはオークション理論では、複数同質財(multiple homogeneous goods)のケースにあたります。このケースでは、多種多様なオークション方式が考えられ、どれを用いるかでかなり結果が変わります。要するに、付く値段が変わるわけです。


暗号通貨やトークンの販売も、複数同質財のケースにあたります。国債オークションは研究の蓄積がある分野で、そこでの知見が有効なはずです。複数同質財は理論研究の当てはまりがイマイチなので、実験・実証研究を参照しながら、優れた方式を探索するのが重要です。


このワークショップで多様な方々と交流したく思っています。参加は事前登録制です。メールでauction-lab@dd-d.jp(担当:藤)まで、①お名前 ②ご所属 ③ご職業④連絡先 を記載のうえ、ご連絡ください。


参考: 池邉暢平・坂井豊貴「国債オークション」、坂井豊貴(編)『メカニズムデザインと意思決定のフロンティア』(慶應義塾大学出版会)に所収。

Auction Lab

オークション・ラボは「オークション」のビジネス活用を考えるビジネスパーソンと研究者の交流スペースです。オンラインで情報を発信するとともに、オフラインでのワークショップを開催しています。